事例

経営課題に直結するリーダー/エグゼクティブ人材の採用事例です。
企業の将来構想と現状Gapに即した人材要件を定義し、候補者発掘からスキル・志向性の見極め、経験に裏打ちされた視点と
ディレクションを通じて、相互に納得のいく意思決定を実現しております。

医療・福祉統合企業

ヘルスケア

CIO、CTO

医療法人の次世代経営への移行とシステム統括採用の重要性

決定ポジション
システム統括
年収/年齢
年収1,000万~1,500万円 /40代
売上規模
1000億円規模
経営ステージ
成熟期
企業区分
非上場
Close

■企業の課題・採用背景

全国に数十の病院を経営する中堅医療法人は、経営の過渡期を迎えていた。創業者から次世代経営者へとバトンタッチを進める中で、新たな経営体制のコアメンバーとなる人材が求められていた。
その中でもシステム統括のポジションは重要視されており、次世代経営者の右腕となる経営企画部長が中心となり採用活動を進めていた。
電子カルテをはじめとする病院の基幹システムを自社開発し、柔軟性と機動性を持たせることで、患者さんにとって最善の医療を提供することを目指していた。しかし、医療の現場では一人一台のPC環境が整っているわけではなく、ITリテラシーも決して高いとは言えない。そのため、単にシステムを開発するだけでなく、導入対応や現場への浸透を図ることが不可欠であった
IT業界に長く従事してきた人材は、医療業界特有の風土にギャップを感じ、適応できない可能性がある。端的には医者と看護師からの信頼を勝ち取らないと仕事にならない。このため、医療への強い想いを持っていなければ長く続けることは難しいと想定された。
このような環境において、弊社コンサルタントは最適な人材を確保するために戦略的なアプローチを講じた。

■エージェントとしてのアプローチ

弊社コンサルタントは、医療法人が求める情シス部門トップの招聘に向け、次の施策を実施した

・CIOネットワークを活用してのサーチ
医療業界に精通したCIOは限られることから、幅広いネットワークを活用し、外部の専門家と連携して候補者の発掘を進めた。

・ITバックグラウンドを持つ異業種の店舗ビジネス経験者も対象とする戦略を採用
リアルビジネスの現場の煩雑さや複雑性を経験している方を中心にターゲティングを行い、システムの運用のみならず現場に浸透させる力を重視した。

・医療への想いを確認し、業界に臨む動機を精査
何よりも重要なのは人の命であるとういう、現場の価値観や、医療オペレーションの複雑性を理解できうる人材を選定するため、技術力やITの見識だけでなく、医療現場での貢献に対する意欲を持っているかどうかを重点的にチェックした。

・初回はオフィスでの対等な立場での引き合わせを実施
一方的な面接ではなく、双方が対等な立場で意見を交わし、企業文化への理解を深めるフラットな場を設けた。

・最終面接前には病院を見てもらい、課題をまとめるプロセスを導入
実際の現場を見た上で候補者に課題認識を整理してもらい、最終面接で具体的な提案を行う形を取った。これにより、採用後の方向性にギャップが生じないよう調整した。

■採用の成果と今後の展望

複数の候補者にアプローチを行った結果、異業種の店舗ビジネス経験を持つCIOと接点を持つことができた。能力や人格に優れた方は複数いた。しかし医療現場という特殊性に抵抗を示す人や、週休二日ではなく、4週8休という勤務形態が難しい人が多かった。

そんな中、キャリアビジョンを深く掘り下げる過程で、身内の不幸を経験し、医療現場への貢献を強く望む候補者と出会った。彼は働き方や年収ではなく、経験を活かして医療に貢献したいという強い想いを持っていた。
経営者との対話の中で医療を今よりもより良いものにしようと、意気投合。

病院の経営者(理事長)は原則として医者である必要がある。
「私と向き合うのは大変な時もあると思いますが、大丈夫ですか?」との経営者からの問いに、「いま勤めている会社も上場してますが、強烈なオーナー会社です。慣れています」との返答。
結果として、迅速なオファーが出され、即座に参画が決定した。

入社後、候補者は電子カルテシステムの自社開発を進めるだけでなく、中長期のITロードマップの策定を担当。インフラ改善、情報セキュリティ対策、コールセンターの開設、組織改革・エンゲージメント向上といった領域にも積極的に取り組み、現在、病院のITインフラの柱として活躍している。
この採用活動は、単なるシステム統括者の招聘にとどまらず、医療の未来を共に創るパートナーシップの確立へとつながったと確信している。

ヘルスケアメーカー

ヘルスケア

CHRO、CLO

IPO視野の成長ベンチャーCHRO採用
-理想も柔軟性も両立へ

決定ポジション
CHRO
年収/年齢
年収1,000万~1,500万円 /40代
売上規模
50億円規模
経営ステージ
創業期
企業区分
未上場
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■企業の課題・採用背景

独自技術を強みに、顧客満足度の高いヘルスケア商材を展開する成長ベンチャー。2C領域で順調に業績を伸ばし、現在はIPOを視野に入れた準備段階にあります。
そうした中で、さらなる事業拡大と企業基盤の強化を見据え、CHRO(最高人事責任者)の採用についてご相談をいただきました。
きっかけは、同社に出資しているベンチャーキャピタルのパートナーからのご紹介で、CFOおよび代表取締役との面談を経て正式なご依頼へとつながりました。
同社はリピート顧客をしっかりと抱えることで、ベンチャーでありながらも安定した収益モデルを確立。また、今後はB2B領域でも日本国内および海外市場に展開予定であり、将来的には時価総額数百億円規模を目指す、非常にポテンシャルの高いフェーズにあります。
このような「成長性」と「地に足のついた事業基盤」の両面を兼ね備えた案件であれば、優秀な人材にとっても強く響くと判断し、本格的なご支援をスタートしました。

■当社の紹介におけるポイント

-理想を追いつつも、柔軟に「未来のCHRO」へ目を向けた意思決定-

経営陣は明確なビジョンを持っており、「人」に対して非常にこだわりのある企業。妥協なく、理想とする人材像を追求する姿勢が強く感じられました。
一方で、報酬面では限界があるのも事実。ベンチャーゆえに、年収レンジでは大手上場企業に見劣りする場面もありました。
実際に、上場フェーズのベンチャーを牽引し、CHROとしての実績も十分な候補者との面接が順調に進み、最終的にオファーまで到達。しかし、最終局面でより安定性を重視した大手企業のオファーと競合し、ご辞退という結果に。
この経験を経て、私たちは採用戦略の見直しを提案。理想の「現CHRO経験者」にこだわるのではなく、ポテンシャルを持つ「CHRO一歩手前」の人材にも目を向けることを提言しました。
そして出会ったのが、メガベンチャー一筋でキャリアを重ねてきた人事部長。1社経験のみではあるものの、その企業が上場し、成長から衰退、そして再浮上までの過程を経営陣と共に歩んできた実績を持っていました。特に、創業者のすぐそばで人事責任者として伴走し続けた姿勢と、誠実な人柄にクライアントも深く共感。
役員経験こそないものの、「この人となら一緒に走れる」と、企業側は早期に評価を固め、スピード感を持ってオファーへ。候補者にとっては初めての転職であり、働き方や体制面に対して慎重な思いもありましたが、私たちが両者の懸け橋となり、条件面・環境面のすり合わせを丁寧に行いました。

結果として、企業・候補者双方が納得できる形で合意に至り、前向きな門出となりました。