事例
経営課題に直結するリーダー/エグゼクティブ人材の採用事例です。
企業の将来構想と現状Gapに即した人材要件を定義し、候補者発掘からスキル・志向性の見極め、経験に裏打ちされた視点と
ディレクションを通じて、相互に納得のいく意思決定を実現しております。
事例の絞り込み
業界
職位
化学メーカー
製造業
CIO、CTO
業界の常識を超えて
──技術者招聘による製品開発力の飛躍
- 決定ポジション
- 技術顧問
- 年収/年齢
- 非公開
- 売上規模
- 100億円規模
- 経営ステージ
- 創業期
- 企業区分
- 未上場

課題認識と新たな挑戦
半世紀以上にわたり、潤滑剤や界面活性剤を中心とした製品を製造・販売してきた化学メーカー。B2C市場に幅広く展開する中で、10年前にD2Cへの転換を決断し、ビジネスモデルの再構築に着手。競争優位を維持・強化するためには、「高付加価値な製品を、高付加価値な市場で展開する」ことが不可欠となり、その要となる製品開発力の強化が急務とされた。
なかでも、特定の技術領域でニッチトップを狙う新製品開発において、当該分野の第一人者となり得る人材の確保は、今後の事業を左右する重要テーマであった。これまで多くの紹介会社に依頼してきたが、十分な成果を得られず、当社に相談が寄せられた。対象人材が極端に少なく、かつ業界情報が閉鎖的であるという条件の中、クライアントは大きなリスクを引き受け、本プロジェクトをスタートさせた。
可能性の糸をたぐるサーチの軌跡
要素技術の専門性が極めて高く、日本とドイツにわずかな熟練者が存在するのみという市場構造。国内外の大手から中堅・中小企業まで幅広く調査したが、条件を満たす人材は事実上ゼロに等しかった。
複数の候補者との接点を得たものの、習熟度や適合性の観点からは十分と言えず、進展が見えない時期が続いた。だが、業界構造を深く理解し、継続的に情報収集を重ねていく中で、信頼のおける情報提供者との出会いに恵まれた。その人物から、世界的にも高名で、現在もアドバイザーとして最前線で活躍している技術者の存在を知らされる。
複数の経路で情報を裏付けた結果、技術・人格ともに群を抜いた人物であることが判明。まさに代替の効かない「唯一の人材」であった。信頼関係を丁寧に築きながら接点を設け、クライアントの描くビジョンや戦略に深く共感いただき、社長との面談へと進展。熱意と誠意をもって三顧の礼を尽くした末、オファーを快諾いただいた。
着任後の成果と未来への広がり
着任後は即座に開発チームの中核を担い、主導した新製品は市場投入直後から反響を呼び、すでに目玉商品の一角を成す存在となっている。単なる売上・利益への貢献にとどまらず、企業ブランドをトップポジションへ押し上げる戦略的製品となり、市場の注目を一身に集めている。
さらに、当該人材の人間性とネットワークを通じ、複数の技術者が参画。重要資材の安定調達ルートの確立など、経営全体へのインパクトも大きい。クライアント企業はこの出会いに深く感謝し、信頼関係の維持・深化にも積極的に取り組んでいる。現在、当該事業は3〜4倍規模の成長見込みが立っており、人的資本のさらなる強化が求められるフェーズに入っている。
当社は本件を皮切りに、開発領域にとどまらず、バリューチェーン全体を支える人材の採用支援を継続。未来を共に創り上げるパートナーとして、今後もクライアント企業と並走していく。
メーカー
製造業
CIO、CTO
グローバル製造業の新規事業責任者採用
―曖昧な要件を突破し成功
- 決定ポジション
- 事業責任者
- 年収/年齢
- 年収1,000万~1,500万円 /50代
- 売上規模
- 1000億円規模
- 経営ステージ
- 成熟期
- 企業区分
- 未上場

■企業の課題・採用背景
海外売上比率が50%を超えるグローバル製造業。現状の主力事業に加え、10年後を見据えた「次の柱」を育てるべく、新規事業への取り組みに注力しています。
すでにプロダクトは形になっていたものの、収益化には至らず、事業としては踊り場の状況に。こうした状況を打開し、事業を牽引できる責任者人材の採用について、人事部門よりご相談をいただきました。
私たちが新規事業責任者ポジションをお引き受けする際、常に重視しているのは「誰がどれだけ本気で推進しているのか」という点です。
今回は経営層の中でも中核を担う2名が強くコミットしていることが確認でき、「ご縁のあった候補者が後から梯子を外されるようなことはない」と確信。
その信頼感と事業への可能性を踏まえ、ご支援を開始いたしました。
■当社の紹介におけるポイント
-曖昧な要望を突破口に変えた一手-
新規事業の立ち上げを検討していたある製造業のクライアント企業。しかし、当初は「どのような人材を求めるべきか」が明確に定まっておらず、要件もふわりとした状態でした。
そこで当社では、戦略コンサル出身者、新規事業の立ち上げ経験者、さらには製造業における事業責任者など、多様なバックグラウンドを持つ候補者を意図的にご紹介。単なる書類選考にとどまらず、クライアントとの意見交換を重ねることで、採用ターゲットの輪郭を少しずつ明確にしていきました。
しかし、クライアント側に急ぎの事情がなかったこともあり、議論が途中で止まり、時間だけが過ぎていく状況に。プロジェクトの停滞を打開するため、私たちは新たなアプローチを試みました。
「まずは、同業他社で実際に成果を出している事業責任者に会っていただこう」と方針を切り替え、業界を横断的にリサーチ。経営者との面談を前提としたピンポイントなアプローチを展開しました。
ちょうどその頃、親会社がファンドに買収されるという環境変化を受け、事業縮小の渦中にあった企業のキーマンと接点を持つことに成功。経営者と直接対話をしていただくことで、候補者のビジョンと企業の方向性が一致し、採用が一気に進展しました。
結果として、選考初期のスローペースが嘘のように、その後の面接から意思決定までは非常にスムーズに進行。最終的には、同社の新規事業を牽引する責任者として正式にオファーを提示するに至りました。
医療・福祉統合企業
ヘルスケア
CIO、CTO
医療法人の次世代経営への移行とシステム統括採用の重要性
- 決定ポジション
- システム統括
- 年収/年齢
- 年収1,000万~1,500万円 /40代
- 売上規模
- 1000億円規模
- 経営ステージ
- 成熟期
- 企業区分
- 非上場
■企業の課題・採用背景
全国に数十の病院を経営する中堅医療法人は、経営の過渡期を迎えていた。創業者から次世代経営者へとバトンタッチを進める中で、新たな経営体制のコアメンバーとなる人材が求められていた。
その中でもシステム統括のポジションは重要視されており、次世代経営者の右腕となる経営企画部長が中心となり採用活動を進めていた。
電子カルテをはじめとする病院の基幹システムを自社開発し、柔軟性と機動性を持たせることで、患者さんにとって最善の医療を提供することを目指していた。しかし、医療の現場では一人一台のPC環境が整っているわけではなく、ITリテラシーも決して高いとは言えない。そのため、単にシステムを開発するだけでなく、導入対応や現場への浸透を図ることが不可欠であった
IT業界に長く従事してきた人材は、医療業界特有の風土にギャップを感じ、適応できない可能性がある。端的には医者と看護師からの信頼を勝ち取らないと仕事にならない。このため、医療への強い想いを持っていなければ長く続けることは難しいと想定された。
このような環境において、弊社コンサルタントは最適な人材を確保するために戦略的なアプローチを講じた。
■エージェントとしてのアプローチ
弊社コンサルタントは、医療法人が求める情シス部門トップの招聘に向け、次の施策を実施した
・CIOネットワークを活用してのサーチ
医療業界に精通したCIOは限られることから、幅広いネットワークを活用し、外部の専門家と連携して候補者の発掘を進めた。
・ITバックグラウンドを持つ異業種の店舗ビジネス経験者も対象とする戦略を採用
リアルビジネスの現場の煩雑さや複雑性を経験している方を中心にターゲティングを行い、システムの運用のみならず現場に浸透させる力を重視した。
・医療への想いを確認し、業界に臨む動機を精査
何よりも重要なのは人の命であるとういう、現場の価値観や、医療オペレーションの複雑性を理解できうる人材を選定するため、技術力やITの見識だけでなく、医療現場での貢献に対する意欲を持っているかどうかを重点的にチェックした。
・初回はオフィスでの対等な立場での引き合わせを実施
一方的な面接ではなく、双方が対等な立場で意見を交わし、企業文化への理解を深めるフラットな場を設けた。
・最終面接前には病院を見てもらい、課題をまとめるプロセスを導入
実際の現場を見た上で候補者に課題認識を整理してもらい、最終面接で具体的な提案を行う形を取った。これにより、採用後の方向性にギャップが生じないよう調整した。
■採用の成果と今後の展望
複数の候補者にアプローチを行った結果、異業種の店舗ビジネス経験を持つCIOと接点を持つことができた。能力や人格に優れた方は複数いた。しかし医療現場という特殊性に抵抗を示す人や、週休二日ではなく、4週8休という勤務形態が難しい人が多かった。
そんな中、キャリアビジョンを深く掘り下げる過程で、身内の不幸を経験し、医療現場への貢献を強く望む候補者と出会った。彼は働き方や年収ではなく、経験を活かして医療に貢献したいという強い想いを持っていた。
経営者との対話の中で医療を今よりもより良いものにしようと、意気投合。
病院の経営者(理事長)は原則として医者である必要がある。
「私と向き合うのは大変な時もあると思いますが、大丈夫ですか?」との経営者からの問いに、「いま勤めている会社も上場してますが、強烈なオーナー会社です。慣れています」との返答。
結果として、迅速なオファーが出され、即座に参画が決定した。
入社後、候補者は電子カルテシステムの自社開発を進めるだけでなく、中長期のITロードマップの策定を担当。インフラ改善、情報セキュリティ対策、コールセンターの開設、組織改革・エンゲージメント向上といった領域にも積極的に取り組み、現在、病院のITインフラの柱として活躍している。
この採用活動は、単なるシステム統括者の招聘にとどまらず、医療の未来を共に創るパートナーシップの確立へとつながったと確信している。